2017年5月3日掲載
John Surman        How Many Clouds Can You See
Deram原盤            1969年録音

 この作品は2008年に国内でCD発売され、私はそれでこの作品に触れることができました。国内盤ですから帯が付いており、そこには「国内初CD化」と書かれており、「国内初発売」とはなっておりませんでした。国内盤封入解説(星野氏)を読むと、1970年にLPで国内発売されていたとのことです。

 さて本作品はサーマンの名盤と言われており、星野氏によればそれは8人編成で吹き込まれたサーマン作の「Galata Bridge」によるものです。

 因みにこの曲名のガラタ橋をウィキペディアで調べたところ、「トルコのイスタンブールの金角湾に架かる可動橋(跳ね橋)である。初代の橋は1845年に開通した。現在の橋は1994年12月に開通した5代目である。長さ490m、主橋脚間80m、幅42mで片側3車線と歩道を備え、市街電車も通る。船が通行する中央部以外は上下二層になっており、上層が車道、下層がレストラン街となっている」とあります。

 何か政治的な意味、或いは歴史的な民族的な意味があるかと思って調べたのですが、そこは掴めませんでした。

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 コルトレーンの影響をどう消化していくかが、この時代のジャズの一つのキーワードであったことは、誰もが同意することでしょう。

 コルトレーンが築いた魂の動きは深く突き進むものだとすると、サーマン等のここでの演奏は広角に飛び散っていくような演奏です。圧倒されて聴き終わり、また聴きたくなる演奏です。欧州ジャズ黄金期の名盤と言えるでしょう。