トランペット奏者のブルー・ミッチェルの名前がジャズ・ファンに知れ渡ったのは、ホレス・シルバーのバンドでの活躍によるものでした。リバーサイドがそんな彼に目を付け計7作品を発表しましたが、そのフォーマットは実にバラエティ豊かなものでした。その中でビッグ・バンドでの演奏が、本作品であります。当時のジャズ界を席巻していた方々が録音に加わっております。
明るく楽しく快調に飛ばすミッチェルと、それに笑顔で呼応するバック陣の演奏を、笑顔で聴いていく1枚です。兎に角ミッチェルの演奏と共に、共演者の演奏が光っています。「West Coast Blues」でのジェローム・リチャードソン、「Blue On Blue」でのアダムス、スロー・バラッド「A Sure Thing」でのヒースの色気、そして随所で軽快な演奏のケリーといった具合です。ミッチェルは一部作品に光が当たりっぱなしで、この作品は埋もれているものとも言えますが、聴く価値十分の内容です。