1979年に入ってすぐ亡くなったミンガスを追悼するバンドが結成され、ミンガス・ダイナスティという名前で活動しておりました。今日そのユニットの作品を取り上げるに当たって、このミンガス・ダイナスティの活動についてコメントしたくネットで調べてみたのですが、作品の紹介ページは散見するだけでした。私の認識では、ミンガスゆかりの人たちが、活動の都度に集まっているものとのものです。本作品のクレジットを見ると、ジミー・ネッパーやローランド・ハナ,ダニー・リッチモンドという、ミンガス・バンドでお馴染みの方々の名前があります。その中にランディ・ブレッカーの名前がありますが、私にはミンガスとの共演歴が浮かんできませんでした。調べてみますと、1972年に一度、そして1978年に何度かビッグ・バンドのメンバーにランディが加わっているとのことです。収録内容はミンガス作の6曲が収録されており、1950年代と1970年代に作られた曲が半々づつとなっています。
ミンガス・バンドでの演奏を継承していますが、やはりアレンジと演奏の粒立ちには違いがあります。ミンガスの先鋭的なものと比べると、この作品では優雅さが優先している内容です。これはどちらが良い悪いということではなく、違いがあるということです。この優雅さの中で各メンバーのソロが、生きたものになっております。
さてこのミンガス・ダイナスティの活動がどのような形で終焉を迎えたかは分かりませんが、1991年からミンガス・ビッグ・バンドなるものが結成され、今でも活動しており、来日公演も行なっています。主催はミンガスの奥さんであります。分からずに言いますが、ミンガス・ダイナスティの終焉にはこのミンガス・ビッグ・バンドが関連しているのかもしれません。