AEC以外でも幅広い活動を行なっていたレスターが、オルガン奏者をフューチャーした作品を今日は取り上げて見ます。まずそのオルガン奏者は、アミナ・クローディン・マイヤーズです。レスターと彼女との共演はAEC結成前からのものでした。恐らくはライブでは何度も共演していたのでしょうけれど、レコーディングとなると、先のAEC結成以前の演奏と、1978年に発表したレスターの単独作品での共演歴だけでした。私はAEC結成以前の演奏は聴いていませんが、1978年に発表したレスターの単独作品ではマイヤーズはピアノを弾いていましたので、オルガン奏者のマイヤーズとの共演録音は初めてなのかもしれません。他のメンバーは、ホーン陣ではトロンボーンのスティーブ・トゥーレとテナー・サックスのジェームス・カーターです。ドラムは曲により、ドン・モイエとフィリップ・ウィルソンが演奏しています。レスターが作ったり参加したユニットは、長短ありますがそれなりの期間の活動がありました。しかしこのユニットは、この1991年1月の3日間の録音だけの活動でありました。その意味では、ピアノやオルガンとのレコーディングをあまり行わないレスターが、旧知のオルガン奏者と一緒にレコーディングしようよとのものだったのでしょう。レスターの単独作品にマイヤーズが参加したとのもです。
レスターとマイヤーズが生み出すブルースは、さっぱりしていながらコクがある味付けです。二人のセンスの良さに酔いながら聴き進みましたが、そに中で特筆すべきは2曲。スタンダードの「Soul Eyes」では、悲しみの色を見せながら考えさせる演奏です。もう1曲はマイヤーズ作の「Guten Morgen Part2」ですの演奏です。陽気な中に生きる力強さを感じさせる演奏で、マイヤーズのヴォーカルというかスキャットも味わいあるものでした。「Soul Eyes」の代表的演奏として、この盤は聴き継がれるでしょう。