今でこそ年1回顔を出すかどうかだが、渋谷にある小さなジャズ専門店には、34年前からお世話になっています。ジャズ聴き始めの時は、店主は勿論ですが、常連の方々の豊富な知識に驚いたものです。それならばあの人、これならばその人というような話に触れる回数が増えるにつれ、常連の方々と顔見知りになると共に、その常連の好きなミュージュシャンも分かってくるようになりました。
その中には、チェット・ベイカーならばという方が居ました。SJに掲載されたベイカーのディスコグラフィに対して、掲載漏れの盤がいくつもあるよと言っていたのが印象的です。当時の私はベイカーには縁が無かったのですが、何年か先にはベイカーに浸る時がくるのかなと思っていましたが、縁がないまま今に至っております。
しかし今日取り上げる盤くらいは、持っております。1958年に活動拠点をNYに移したベイカーは、先ずリバーサイドにこの作品を吹き込みました。ジャケ共に有名なこの作品は、ケニー・ドリューを従えて、歌を主にしたものです。
ベイカーの歌に関しては好みが分かれるところですが、私にはこのような機会に聴けば聴いたで、1枚楽しんで聴き終えました。ただそこ止まりで、何でもっとペットを吹かないのかなとの感想です。私にはまだ縁の薄いミュージュシャンであります。