ラウズがモンクと過ごしたのは、1959年から1970年までの長期間でした。この長き共演のラウズの演奏を悪く言う方々が、世の中には実に多くおります。私はこの時期のモンクと一緒に演奏しているラウズが、大好きな人間であります。主役は勿論モンク。そんなモンクをしっかりと理解した上での、ラウズのテナー・サックスは、僕にとって味わいあるものです。
しかし、主役としてのラウズも大好き。今日取上げる作品は、主役ラウズとしての有名盤であります。クァルテットですので、ラウズの演奏がタップリと楽しめます。
サックス奏者での『you don't know what love is』の名演と言えば、ロリンズにコルトレーンということになるでしょう。しかし、この作品でのラウズの演奏も、この曲の名演に加えるべきもの。コルトレーンやロリンズとは違った、名脇役の存在感が湧き出ております。愛着が持てる作品です。