2008年4月15日掲載
Leroy Vinnegar      Leroy Walks!
Contemporary原盤   1957年9月録音

 隠れた名手リロイ・ヴィネガーの作品は、かつてここで「jazz's great "walkin"」を取上げました。ウォーキング・ベースの存分に楽しめる内容でした。それと共にヴィネガーの代表作に上げられるのが、今日取上げるもので、コンテンポラリーへの録音です。

 「jazz's great "walkin"」ではピアノとべースでのトリオ録音でしたが、この作品ではシクステット。フェルドマン(vib),シェラルド・ウィルソン(tp),テディ・エドワーズ(ts),カール・パーキンス(p),そしてトニー・ベイスリー(d)との録音です。7曲中6曲のタイトルには、「walk」が入っており、残り1曲も『明るい表通りで』であり、歩く姿が浮かぶ曲名であります。

20080415

 華は無いが味わい深い作品。スローからミドル・テンポの曲が多く、体をすり抜けていく演奏でもあるが、随所に隠し味が効いています。

 『would you like to take a walk』での、パーキンスのピアノ・ソロの後に続く、ヴィネガーのベース・ソロ。優しいフレーズを聴かせるヴィネガーの横で、パーキンスのピアノが微かに囁いている。その囁きが終わりかけたところで、フェルドマンがのヴァイブが話題を変えていく。

 誰が「散歩に行かない?」と言う役かは別にして、暖かで穏やかな日の午後の様子が浮かんでくる演奏です。