2008年12月23日掲載
Ray Bryant       Ray Bryant Trio
Epic原盤           1956年4月録音

 これがレイ・ブライアントの初リーダー作らしいです。油井先生の言葉によれば、レイ・ブライアントは「リーダー作とサイド参加の録音でのけじめをはっきりつける人であり、これは彼の人格によるものであろう」とのことです。
 ベースは、ワイアット・ルーサー。3つのセッションで構成されており、ドラムはジョー・ジョーンズ,ケニー・クラーク,そしてオシー・ジョンソンであります。トリオ構成ながら、12曲中2曲にキャンディドのコンガが加わっています。

20081223

 2008年10月に開催された横濱ジャズ・プロムナードでの印象として、上手い日本人ベース奏者が多いと感じました。家でそんなミュージュシャンをネット検索したところ、彼らの活動の共通点として、レッスンとホテルでの活動がありました。やはりライブでの真摯なジャズ演奏を行う上では、ある程度の固定給が必要なのでしょう。

 ホテルでは、ティー・ルーム等ででジャズのバンドの演奏に接しられます。日本ではそのようなホテルに行く機会はないのですが、香港時代は良く聴いていました。ゆったりした気分で、或いは友人との話に盛り上がっている脇で、客の気持ちに深く入り込むことなく、ジャズが演奏されているのです。

 しかし気を演奏に向けると、それなりの味を感じさせてくれるのです。

 さてレイ・ブライアントのこの作品ですが、これ以降に彼がリーダー作で聴かせてくれる匂いが、僅かに感じられる作品です。その意味で物足りなく感じるのですが、これをホテル用の演奏と考えれば、評価が変わってきます。ウィスキーをちびちび味わいながら、明日の楽しみを考えている自分を、より楽しくさせてくれるような演奏。恐らくは、プロデューサーからの要望だったのでしょう。人格者のレイは、見事にその期待に応えたのです。ほろ酔い気分を『in a mellow tone』に向けた時の、安らぎ感は美味しいものでした。