クリスクロスの看板トロンボーン奏者である、スティーブ・デイビスの作品を取り上げます。Roy Hargrove(tp),Peter Bernstein(g),Anthony Wonsey(p),Nat Reeves(b),そしてJoe Farnsworth(d)が参加しています。
因みにデイビスはこのレーベルの21枚の作品に参加しております。その中でリーダー作は、この作品で7枚目になります。かつてこのコーナーでは、このレーベル4枚目のリーダー作品を取り上げております。
腹の据わったトロンボーンの音色は、聴いていて安心できるもの。そうそうたるメンバーが、現代風の熱気で刺激し合ってジャズに取り組んでいる姿は、ジャズの醍醐味を味わえるもの。
その中で、デイビスのリーダー作という感じがしない。「皆様、一緒に頑張りましょう」っていう演奏。こんな前半から中盤の流れは、ジャズを楽しみながらもじれったさを感じてしまいます。後半のデイビスだけに焦点を当てた数曲は、それはそれなりに楽しめました。しかしメンバー全員が揃っている前半に、デイビスの強い自己主張が欲しかったです。