クリスクロス・レーベルの人気トロンボーン奏者スティーヴ・デイヴィスの、このレーベルでの通算４枚目の作品です。David Hazeltine(p)、Peter Washington(b)、Joe Farnsworth(d)、Steve Nelson(vib)、Peter Bernstein(g)というクリスクロスお馴染みのメンバーに加えて、３曲だけ Mike DiRubbo(as)が入ってます。彼の暖かみのあるトロンボーンの音色に期待すると共に、編成にも興味を持つ作品ですね。
ラフなのに結束力のあるシクステットです。先ずリズム・セクションがしっかりしている。ピーター・バーンスタインという目立たないけど堅実なギターも、魅力的です。スティーヴ・デイヴィスの語りかけるトロンボーンを存分に 発揮出きる舞台が整っている訳ですが、他のメンバーのソロも存分に楽しみます。１０分を越える演奏の“blue domain”が、その意味での魅力が溢れるものになっています。簡単なブルースのリフの曲ですが、一切退屈せずに次の展開を求めて聴き入ってしまいますね。続くバラッドの“the summary”も、素晴らしいです。このユニットはこれからもリーダーを替えながら、このような充実した作品を発表していくのではと、思います。