1950年代から、数多くの名盤に参加してきたフラナガン。またリーダー作では『オーヴァーシーズ』という、不朽の名作を残しているフラナガン。
しかしリーダー作の数は、実に少ないものでした。1960年に2作目を吹き込んで以降は、15年間に渡り、リーダー作がありませんでした。1975年にエラの伴奏者として来日した際に、ソロ・アルバムを吹き込み、それが3枚目。その後CBSソニーに吹き込んだ後に吹き込まれたのが、本作品であります。
この作品のヒットを境にフラナガンは、リーダー作を連発していったのです。ジョージ・ムラーツ(b)とエルヴィン・ジョーンズ(d)との、トリオ作品です。
タイトル曲は「オーヴァーシーズ」でも演奏されていたもので、その際にはエルヴィンも参加しておりました。5分前後の演奏が多い中で、この曲は12分を超える演奏時間です。陽気にうねる演奏が堪能出来ます。
ピカイチの演奏は、最初に演奏されている『オレオ』でしょう。陽気に飛び跳ねる演奏が聴けます。フラナガンの躍動感溢れるピアノ、エルヴィンのブラシ、ムラーツの演奏を引っ張ってベース。この3つの音が、「ジャズって楽しいね」と思える瞬間を提供してくれます。この後のフラナガンの快進撃が当然と思える内容です。