2008年1月1日掲載
Art Blakey And The Jazz Messengers
Au Club St. Germain
RCA原盤        1958年12月録音

 先に取上げたオランピア劇場で1ヵ月に及ぶパリでの演奏活動を開始したJMですが、そのトリが、今日取上げるサンジェルマンでの演奏であります。1夜の様子を3枚のLPで発表され、名盤の誉れ高いものになっております。私は、CD2枚組のを持っております。

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 このコーナーでは、いつもなら1回だけ聴いてから、コメントを書いております。ドキドキしながらの新譜であったり、20年ぶりに聴く盤であったり、その時々の気持ちを書いているのです。

 しかし今回は、2週間聴き続けました。何度も聴いた理由は、演奏の充実度とそのパワーであることは当然のこと。そして観衆の異常な熱気。この両方の熱気に圧倒されて、コメントを書くのを躊躇してしまっていました。

 特にと言うか、当然と言うか、最も多く聴いたのは、1曲目。ビル・ハードマン作の『ポライトリー』であります。ハードマンは1956年から1957年にかけてJMに在籍しておりましたが、その際にはこの曲の収録は無しでした。まぁ、ハードマンがJMを去るにあたって、感謝の気持ちでブレーキーに捧げた曲なのでしょう。ノリノリのブルース。ファンキーの見本。ゴルソン,モーガン,ティモンズ,そしてメリットとソロが続くのですが、神懸りのような演奏です。後年ハードマンはJMに復帰し、この曲を演奏しておりますが、それを聴いたことが多分ないので、一度は聴いてみたいものです。

 そして『ポライトリー』の演奏を、JMと共に盛り上げたのが、観客の熱狂です。話がそれますが、この作品を聴いていた2週の間に、ストーンズの最新DVD4枚組みを購入しました。その中に、ジャズでも有名なチャーリー・ワッツのインタビューが収録されていました。その話によれば、ワッツが17歳の時、つまり1958年にパリにジャズ体験に行っていたそうです。ひょっとしたら、この観客の熱狂の中に、ワッツがいたのかもしれませんね。

 さて本題。こんな熱気が、12曲続く内容です。2週間に渡り、この作品に熱中したのも当然のことでしょう。丁度20年前に買ったこの作品ですが、数年に1回はこの現象が起きております。