2007年9月2日掲載
Hank Mobley     Workout
Blue Note原盤    1961年3月録音

 1960年に録音された「ソウル・ステーション」と「ロール・コール」、そして今日取上げる1961年録音の「ワークアウト」の3枚が、モブレーの人気3部作になります。グラント・グリーン(g),ウィントン・ケリー(p),ポール・チャンバース(b),フィリー・ジョー・ジョーンズ(d)という、豪華面メンバーでの録音。ワン・ホーン・クィンテットでの演奏です。

 しゃがみながら、タバコを吸っているモブレー。パイプ椅子には、愛用のテナー・サックス。床には、タバコとサングラス、そして瓶。ジャケットに写っている、恐らくはスタジオでの1コマの中で、この瓶の中身が少し気になります。

20070902

 テナー・サックスの音色に、ギターとピアノが絡み、艶やかな色合いをだしていく。この色合いの妙が、上質のハード・バップで演奏されているのが、本作品が愛されている理由ではないでしょうか。また、実直に感じられるモブレーの人柄も感じられる演奏。そんなモブレー作の曲でアップ・テンポの『ワークアウト』と『スモーキン』が、素晴らしい。LPで言うところのA面とB面にこの曲が配置されているセンスも、なかなかのもの。いつまでも愛される作品でしょう。