この時期のゴードンは欧州で活動しており、ブルー・ノートへも欧州で録音を行っておりました。しかし1965年の5月には、何故だかＮＹのヴァン・ゲル・スタジオで録音が行われました。５月２７～２９日の三日間であります。後半二日間の録音は、「Gettin' Around」として発売されました。しかし２７日の録音分は、後年になって発売された本作品であります。
Freddie Hubbard(tp)，Barry Harris(p)，Bob Cranshaw(b)，Ben Tucker(b)， Billy Higgins(d) であります。因みに「Gettin' Around」では、トランペットが抜けて、ヴァイブが加わっております。
美しく、そして重く響いて演奏されているバラッドに、『lady iris B』という曲があります。作者は、Rudy Stevensonとう方。1960年代にはニーナ・シモンの伴奏を行っておりました。そして5th Dimensionというグループにも参加していた模様。この曲をウイントン・ケリーがヴァーヴに吹き込んでおりますが、未発表になったまま。その録音は1965年であり、こデクスター盤と同じ年であります。恐らくはRudy Stevenson が1964年頃に書いた曲で、それがミュージュシャンの間で評判になったのでしょう。
そんな曲が演奏されている本盤は、ハバードの出番は短めでしたが良く歌っており、デクスターの深い表現力を盛り立てておりました。