今日取上げるタレンタインの作品は、このコーナーで取上げてきた作品で言えば、「Look Out」と「That's Where It's」の間に録音された作品です。トミー・タレンタイン(tp),ホレス・パーラン(p),ジョージ・タッカー(b),アル・ヘアウッド(d)との吹込みです。
『my girl is just enough woman for me』は、馴染み易いくつろげるメロディの曲です。この曲では、トミーとスタンリーの兄弟の性格の違いが、はっきりと分かるのが面白いところです。弟のスタンリーは、この曲の雰囲気通りの穏やかな演奏。一方、お兄さんのトミーは、力強い主張を行っております。これはある意味アルバム全体に言えることであり、両者の性格がそのまま表れているのでしょう。
さてこの『my girl is just enough woman for me』という曲は、スタンダードと思いきや、SJ社発行の「20世紀ジャズ名曲事典」には掲載されていない曲。またグーグルで検索しても、ヒット数は少ない曲。そんな有名ではない曲ですが、最近誰かの作品で聴いたことがあるはずと、頭の中に引っ掛かっておりました。そこでグーグルでヒットしたページを見ていくと、エリック・アレキサンダーの作品に収録されている曲でした。その際のコメントで、「・・・アレキサンダーのテナー・サックスは、コルトレーンやロリンズ,そしてタレンタインを吸収しながら・・・」と書いておりました。1987年に購入したこのスタンリーの「Comin' Your Way」での印象がどこかに残っており、このようなコメントになったのでしょう。