ブランフォード・マルサリスにとっては、5枚目の作品になると思います。Kenny Kirkland(p),Dilbert Felix(b),Lewis Nash(d)との録音です。9曲収録されていますが、注目は『lonely woman』でしょうか。
この当時はブランフォードの新譜を必ず買っておりましたが、15年以上が経過して聴き直すと、買い続けていた理由が分からないでおります。なんだか、頭の上をプカプカ漂っているような演奏です。そんな中で、やはり『lonely woman』が突出した出来栄えです。ブランフォードはこの曲のメロディだけを切り取って、うねりを加えながら、空中を漂わせております。地に根を張ったジャズではなく、それを打ち破ることにブランフォードは挑戦していたのでしょうか。
そうだとすれば、この作品の中で成功しているのは『lonely woman』だけ。当時の僕は、この試みというか、この雰囲気が好きだったのかもしれません。