1938年にデトロイトに生まれたデイヴ・パイクは、幼い頃からドラムを習い、また後年ヴァイブを独学したかたであります。ポール・ブレイとのセッションに参加してからヴァイブ奏者としてジャズ界に入り、その後オーネットやエルモ・ホープなどと共演しました。その後1960年から1965年にかけてハービー・マンのグループで活動し、ヴァイブ奏者として頭角を現したのです。その時の仲間だったギター奏者のアッティラ・ゾラーの紹介で、ドイツに渡りました。
以降、ドイツで活動。本作品は、そんな時代のもの。フォルカー・クリーゲル(g,sitar),ハンス・レッテンバッハー(b),そしてペーター・バウマイスター(d)との録音です。
この時期の安易なジャズ・ロック路線と言える内容ですが、デイブ・パイクのジャズ・フィーリングが活かされている場面も多く、それなりに楽しめる内容です。陽気な『I'm on my way』が、その最たる例でしょう。
さて今回の再発の監修を行った若杉氏によれば、『mathar』という曲が、このアルバムの白眉だとか。しかしその内容は、単に「シタールを入れて演奏しました」レベルでありました。