Kai Bussenius はドラム奏者で、まだまだ若手といえるような雰囲気の方です。真面目一本という感じが、写真から伺えます。ピアノにはMichael Wollny、ベースには Lucas Lindholm が参加しての、ピアノ・トリオとなっております。三人一緒の写真がブックレットにありますが、Kai以外の二人の年は、20歳前半と50歳代という感じ。恐らくは、年寄りがベース奏者でしょう。
この作品は、Kai Bussenius の初リーダー作になります。
狙いとしては、決して派手なことはやらずに、三位一体のピアノ・トリオ、言い換えるならばドラムがリーダーのピアノ入りトリオの、お手本のような作品にしようとのことでしょう。その狙いは、雰囲気として醸し出せております。タイトル曲はKai Bussenius作のものですが、それ以外の6曲は、スタンダード・ナンバー。それらを、独特の静寂で演奏しております。
しかし、この手のことをやるには、役者が揃っていなかったというのが、素直な印象です。決め手が無かった。「決して派手なことはやらずに」ではなく、派手なことは出来ないメンバーではと、悪口を言いたくなる感じです。
『on green dolphin street』での試みなど、感心する点はあります。もう少し方向性を見直して取り組めば、ひょっとしたら良い作品が出来るかもしれません。