伏目がちにジャケットに写っているルースさんを見て、様々な経験を積んで40歳を過ぎた女性にしか表現出来ない世界がある作品だろうと想像して、購入した作品です。調べてみたらルースさんは、結構活発に活動されているお方。そして旦那さんは、この作品にも参加しているベース奏者のチャーリー・ヘイデンなのです。
囁く低音の魅力に惚れ込んでしまった作品です。その低音がまた色っぽいのです。スロー・ナンバーばかり取上げてますが、ダレルような展開は全く無し。旦那のベースがバック陣を纏め上げており、歌と演奏が一体となった出来の良さです。バックといえば、曲によって4人のピアニストが参加しております。作品の構成を歪めないよう、それぞれのピアニストの個性が僅かに醸し出されているのですが、そこも聴き所になっております。Alan Broadbent が光った『something cool』、Brad Mehldau での『body and soul』、そしてMike Melvoin が存在感を示した『a sunday kind of love』と言った具合です。
実は渋谷ジャロさんの中古コーナーで手にして、一度は引っ込めた作品なのです。その時に店主が、そういう女がいいんだよなと呟き、もう一度手にしたのでした。そのお陰で、愛聴盤になるかもしれない作品にめぐり合えたのでした。
さて、ルースさんは、ミドルからアップ・テンポの曲は、歌わないのでしょうか。是非とも今度はそんな作品を探してみます。