これは、ジャクソンが様々なミュージュシャンとのデュオを行った作品です。6人との共演で10曲残しており、マレイとは1曲だけの共演であります。
ジェイムス・カーターとは2曲。テンポの良い曲とバラッドです。新鋭のテナー・サックス奏者の長所を上手く引き出している感じです。何かマレイに通じるスピリットのあるサックス奏者です。
トランペット奏者のヒュー・レギンとは3曲。その中では、バラッドの『Ballad for miles』が良い出来です。学校で嫌なことがあった夕方の帰り道の情景が目に浮かぶデュオ演奏です。
ベーシストの Santi Debriano とは、タンゴっぽい曲を1つだけ。ジャクソンの主張だけで終った演奏でした。続く Hamiett Bluiett とはバラッド2曲演奏しており、『for don』でのバリトン・サックスの響きがなかなかのもの。バイオリンのビリー・バンとはアグレッシブな曲を1つ取り上げてますが、互いにぎこちない展開。
そしてマレイとはバラッドを1曲。『easy』という名の通り簡単なメロディのバラッドですが、マレイの歌心とさり気無いパワーに、ジャクソンは圧倒されているようです。
総じて言えば、管楽器奏者とのバラッド演奏による管楽器奏者の頑張りにジャクソンが助けられた1枚、と言えるでしょう。