「something cool」がジューン・クリスティの表名盤ならば、今日取り上げる作品は裏名盤と言ったとこでしょうか。ピート・ルゴロの編曲指揮で吹き込んだ作品です。

適度にスイングする『sing something simple』、恋愛真っ盛りの女心のバラッド『maybe you'llbe there』と続く4曲目と5曲目が、今回は気に入りました。好対照な曲を、上手く歌っていますよ。その歌声は爽やかでいながら落ち着いているものです。
そんな彼女の歌声で楽しめるのが、ラス・フリーマン作の『the wind』です。序盤のスローな展開では、低音で女の情念を感じさせ、聴く者をブルッとさせます。徐々にテンポが上がってくると、したたかな可愛さを感じさせる歌声に変化。
彼女の歌の上手さを楽しめる1枚です。