2005年8月6日掲載
Jo Stafford     Swingin' Down Broadway
CBS原盤          1958年録音

 ジョー・スッタフォードと言えば日本で大人気歌手であったと思っていましたが、1980年に初めて、彼女の代表作である本盤が国内発売されたのでした。どうも彼女自身がこの盤の権利を持っていたのが、その要因のようです。内容はタイトル通りに、ブロードウェイ・ミュージカルのヒット曲集であります。

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 姉御肌の歌い方と言おうか、強気に振舞う歌い方と言おうか、堂々とした歌い方が彼女の持ち味であります。それでいながら、心の機微をしっかりと表現できる歌手と言えます。

 12曲全てが有名曲なのですが、例えば『love for sale』。街頭に立っている売春婦の心情を、見事に歌っています。哀れみなんてかけないでよ、との強気の雰囲気の中に寂しさが見事に表現されています。続く『happiness is a thingcalled joe』では女の情熱を力強く、そして艶っぽく歌っております。

 さて、『Starring Jo Stafford』を取り上げた時に、彼女によく用いられるトランペット・ヴォイスについて書きました。しかしこの『Swingin' DownBroadway」の解説で青木啓氏が、「長いブレスとうねるフレージング」との意味だと書いております。両方合わさって、本来の意味なのでしょうかね。