2005年8月19日掲載
David Murray     Black And Black
Red Baron原盤   1991年10月録音

 マレイのレッド・バロンへの2作目の吹き込みとなる作品です。この作品は、2000年夏頃のペナン転勤直前に、新宿だか横浜のHMVで入手しました。

 参加メンバーは、マレイと初レコーディングになる Kirk Lightsey(p)とMarcus Belgrave(tp)、2度目の共演の Santi Debriano(b)、3度目の共演となるRoy Haynes(d) であります。クィンテット編成なのですが、ジャケットには不思議なことにクァルテットと表記されております。全5曲が演奏されていますが、マレイ作は『head out』1曲だけであります。

20050819

 カリプソ,ミディアム・テンポのブルース、そしてバラッドを二つと、快調な演奏が続いていきます。ピアノは軽やかに、ベースは堅実に、そして年配のドラムが激しく演奏し、マレイはマレイ節を軽い感じで決めています。レッド・バロンのマレイ作品の中では、なかなか成功した内容と言えますが、それは最後の曲を迎えるまでの話です。

 最後のマレイ作のアバンギャルドな『head out』は、トランペットを入れてのクィンテットでの演奏。この曲自体は、他の作品と違ってマレイの気軽な暴れっぷりが聴けて、良いもの。しかし、アルバム全体の統一感を、ここで一気に崩してしまってます。もともとこの時期のマレイはDIW専属であり、何故このレッド・バロンにリーダー作を出しているかも不明なこと。個々の演奏は良い内容だけに、複雑な気分で聴き終えました。