2005年8月14日掲載
Music Revelation Ensemble      No Wave
Moers Music原盤                     1980年6月録音

 この録音当時のロック界は、1970年代中頃からのパンクとレゲエの流れが、やや落ち着いてきたところでした。ジャズ界ではフュージョン全盛期でありました。またそれらの流れから一歩はなれて、黒人音楽の力強い主張が行われており、その柱の一つがジェームス・ブラッド・ウルマーというギタリストの存在でありました。当時の僕はミュージック・マガジン(ニューがまだ付いていたかも?)を愛読しておりましたが、中村とうよう氏がこのギタリストを絶賛していた記憶があります。

 またジャズ界における黒人音楽の流れは、何といってもロフト・ジャズであり、我がマレイがその中心におりました。この二人が手を組んだユニットが、このミュージック・リベレーション・アンサンブルであります。

 他にアミン・アリ(el-b)とロナルド・シャノン・ジャクソン(d)という、強豪メンバーが加わっております。そしてこのユニットをプロデュースしたのが、ブーカルト・ヘネンであります。

20050814

 まさに4人の見事なコラボレーションであります。相手の発する音をしっかりと聴き、即座に応答する反射神経を身につけているミュージュシャンだけに許される、音楽の世界と言えるでしょう。全4曲ともウルマー作のものであり、ジャケットもウルマー一人。ウルマー主導の音楽であるのですが、この高揚感は4人あってのもです。1970年代のヨーロッパの無茶苦茶演奏のフリー・ジャズによってアレルギーを持っている方々にも、安心して勧められる内容です。この作品が発表された際に同時体験出来なかった僕なのですが、一部のジャズ・ファン、そして熱心な黒人音楽ファンに高く支持された作品だったのでしょう。