今年のピアノ・トリオの話題盤「Twelve by Three」のティム・リチャーズが、1998年に残したトリオ作品です。Kubryk Townsend(b),KenrickRowe(d)との演奏。ドラムは曲により、Andrea Trillo が叩いております。恐らくリチャーズ のトリオ作品は、「Twelve by Three」とこれだけでしょう。
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「Twelve by Three」と同様の印象でありますが、スケール感は「Twelve by Three」の方が上と言えるでしょう。1曲辺り3分ほどの演奏時間で、聴き覚えのある曲が並んでいる内容です。印象的だったのが、『beautiful love』です。エヴァンスを始めとして、多くのピアニストが吹き込んでいる曲で、その甘い雰囲気が魅力の曲。リチャーズは、微かに甘い雰囲気で演奏し始めて、徐々に苦味を加えていく演奏です。
もう少し彼の魅力である独特のブルース・フィーリングが入っていればとの思いもありますが、彼の別の魅力を垣間見れる演奏とも言えます。それなりに面白い作品です。