2005年7月28日掲載
Laurent De Wilde      Odd and Blue
IDA原盤                  1989年7月録音

 ここ1年ネット通販店DNを、新譜購入のために、よく利用しております。この店のシステムとして、1万円以上購入すると送料がタダになるのです。平均すれば5枚以上の注文が必要になるのですが、なかなか欲しい新譜が5枚揃うことが無く、そんな時は再発CDとかに手を伸ばしたりします。要するに、数合わせ。考えてみたら送料は500円。数合わせ盤は2000円ほど。時には「タダより高いものは無い」を、強く実感するのです。

 前置きが長くなりましたが、今日取り上げるのはローラン・ド・ウィルドというピアニスト。1960年にワシントンに生まれましたが、4歳の時に両親の母国フランスへ移住しました。14歳からジャズに興味を持ち始め、様々な経緯を経てプロ活動を開始し、1987年に初リーダー作を発表しました。今日取り上げている「Odd and Blue」2作目のものであり、アイラ・コールマン(b)とジャック・ディジョネット(d)とのトリオ演奏であります。この後2002年までに6枚の作品をローランは発表しております。

 さてこの作品は、前述の「数合わせ盤」なのです。では何故この盤を選んだかといえば、ディジョネットの参加。何か尖ったピアノ・トリオを期待しての購入です。

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 ハンコック作の『the pleasure is mine』では、ローランの強気な耽美ピアノで演奏が始まります。途中からベース、そしてドラムが加わり、気が付けば白熱した演奏になっています。ローラン自作の『spare chamges』では、ローランの鼻歌感覚のメロディの曲ですが、のっけからディジョネットが引っ張る熱気ある演奏。ローランの強気だか弱気だか分からないがピアノも印象的ですが、ディジョネットの参加がこの作品のレベルを上げているのは確かです。

 正解であった「数合わせ盤」ですが、ローランの作品をもう1枚という思いには、至りませんでした。