2005年6月3日掲載
Hod O'Brien       Live At Blues Alley - First Set
Reservoir原盤   2004年7月録音

 過去このコーナーで、ホッド・オブライアンの作品を3枚取り上げています。1997年録音盤を取り上げた時には、日本でオブライアンのことを知っていたのは、リザボア・レーベルのファンだけだったことでしょう。1999年録音盤を取り上げた時には、寺島本で彼を知った人がファンに加わったのでしょう。2000年録音盤をここで取り上げた2002年秋の時点でも、同様のことだったと想像します。

 それが今や大人気のピアニストに、オブライアンはなったのです。昨年、急に火がついた感じですね。昨年発売された国内製作盤には、何故か食指を伸ばしませんでした。しかし8年ぶりにオブライアンがリザボア・レーベルの「NY Piano Series」に吹き込んだ本盤は、ライブ盤です。Ray Drummond(b),Kenny Washington(d)という、今や引っ張りだこの方との共演です。当然のこととして購入し、今日取り上げることになった次第です。

20050603

 ピアノ・トリオの典型的なスタイルでの演奏で、快調なライブとなっていおります。トリオとしても勢いのある内容で、申し分なし。特にワシントンのシンバルが効果的なに、そして気持ちよく随所に決まっています。フレディ・レッド作の「thespian」が白眉の内容と言えるでしょうか。スローで始まりアップテンポで畳み掛けて、スピード感溢れるもの。70歳近いオブライアンにこれ以上を望むのは、酷な事なのでしょう。

 ここ10年近くの好調子が続く間は、名盤は出来ないでしょうが、味のある好盤を出していくことでしょう。