2005年6月10日掲載
Kasper Villaume     117 Ditmas Avenue
Stunt原盤                2004年6月録音

 今年前半に高い評価を得た作品です。DNの宣伝文には「デンマークを代表するピアニスト、キャスパー・ヴィヨームのトリオ、2004年録音作」とありました。「ヨーロッパのジャズ・ディスク1800」には掲載されていない方なで、若手で最近人気が出てきた方だと判断しました。欧州ジャズ・ピアノ購入には慎重になってきた昨今ですが、高い評価の作品なら聴いてみようと思い、購入した次第です。封入されているブックレットを見ると、30歳ほどの方とお見受けしました。Jesper Bodilsen(b) と Jeff Tain Watts(d)との演奏です。

20050610

 強力なベースとドラムに乗って、特にワッツの畳み掛ける叩きに乗って、ヴィヨームのピアノが心地良い力強さで鳴り渡っております。テンポの速い曲が中心の選曲ですが、60分が心地よい風となって流れていく作品です。この盤への高い評価は、尤ものなもの。ヴィヨームには他にもこのレーベルに作品を残しているし、日本製作の作品もあるようです。当然それらへも食指を伸ばしたいのですが、少し不安もある。

 この「117 Ditmas Avenue」は、ベースとドラムに助けられている面、言い換えればベースとドラムで聴いてしまう面も、強くある作品です。塩梅の良いブルージーさを感じるピアノは、ベースとドラムに導かれたものとも、感じました。そしてヴィヨームには、生真面目な方との印象を持ちました。もう少し遊び心があればと、感じたのです。

 いずれにしても本盤は、初聴きでは聴き応えあるもの。好盤といえるでしょう。他の彼の作品に接した時にも、同様の感想が持てることを願ってます。