2005年6月8日掲載
Bebo Ferra       Mari Pintau
Egea原盤         2003年4月録音

 このジャケットの作風はEgeaレーベルのポリシーのようで、ここ数年よく目に致します。このように大きな特徴があるようで、個々の作品の区別が付き難いのは困ったものです。二重買いを防ぎたい本能から、つい買うのを渋ってしまうからです。しかし考えてみたら僕の場合、このレーベルの作品はピエラヌンツイの1枚しか持っておりませんでした。

 昨年末のDN新譜ページにこのレーベルの作品が数枚掲載され、その中で感で選んだのが今日取り上げる作品です。クレジットを見てリーダーがギターであることを確認して、昔よく聴いていた人であることを思い出しました。このコーナーでも1枚取り上げております。と書いて、思い違いであることが判明。以前よく聴いていたのは、Boulou Ferre さんでありました。

 と言うことで初めて聴くこのギター奏者の作品、クァルテットでの録音で、Javier Girotto(ts,bs,bcl,fl),Paolino Dalla(b),Roberto Lello(d)との録音です。

20050608

 アコギのもの悲しいBebo Ferraの演奏は、Boulou Ferre さんと同様なもの。区別をつけるならば、静のFerra、動のFerreと言ったとこでしょう。サウンドは、ヤン・ガルバレクが一時代を築いた北欧ジャズの雰囲気。フィヨルドの凍てつくけど澄み渡った美しさの世界であります。まぁ、ガルバレクもフィヨルドも大して知らないので、イメージだけのいい加減な表現であります。

 しかしこの作品で重要なのは、イメージ。「凍てつくけど澄み渡った美しさ」を見事に表現しきっています。僕にとってのこの盤は、これからの人生で12回はあるであろうこの雰囲気を味わいたい時に、取り出す1枚でしょう。従って、この雰囲気を醸し出す盤はこれ1枚で充分。大切にしたいが、これ以上は欲しくない作品です。