2005年5月9日掲載
Salvatore Tranchini     Radio Suite
Red Record原盤           1996年8月録音

 参加メンバーの管楽器を上手に使いながら、自らはドラムでのバッキングに徹して、サルヴァトーレ・トランキーニが『faces』という素敵な作品を吹き込んだのは2003年のこと。その作品は、昨年の人気輸入盤の一つになりました。その作品から7年前に録音された作品を、今日取り上げます。

 『faces』では活きの良い若手の2管でしたが、この作品ではベテラン Franco Ambrosetti(tp)とJerry Bergonzi(sax)が参加しております。そしてピアノにはアントニオ・ファラオが加わり、クィンテット編成。クレジットを見ると、この編成で17曲中9曲を演奏。残りの8曲は、「radio spot」と称した方々が行っているようです。

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 「radio spot」の8曲は1分前後と短いものばかりで、語りとか叫びとか、そんなのです。アフリカっぽさもあれば、イタリアの雰囲気もあり。雰囲気は感じますが、何が何だか分からない。これは言葉が理解できても同様でしょう。

 その「radio spot」に挟まれて演奏されるクィンテット編は、まともなジャズ演奏。しかし、2003年録音の『faces』で聴けた芯のある演奏とは程遠く、ふにゃふにゃしたもの。なんなのこれ、で終わった作品です。