もろウエス・ギターのニコラス・ミンゴと、陰気なピアノだと思っていたら熱気ピアノを弾いていたファラオという演奏にビックリしたのが、ミンゴの2003年録音盤でした。そうくれば、ミンゴ&ファラオをもう1作聴きたくなるのは当然のことで、ここにその3年前に録音された作品を購入した次第です。他にはベースとドラムが入っての、クァルテット編成での録音です。
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いきなり、重く激しく突っ走る『Mr.P.C.』で幕開け。ミンゴのギターの快走ぶりは、なかなかのもの。ウエス云々と言えばそこまでであるが、この気持ちよさはいいよ。ファラオのピアノにはソロ・スペースが与えられているが、バッキングでのミンゴを煽るような重い一撃の数々がピアノの聴き所と言えよう。このような展開になる曲が中心に収められている本作品であるが、ミンゴ作の軽いスロー・ブルース『contemporary song』での、ホッと一息も気持ちよかった。