2005年5月21日掲載
Cassandra Wilson      Days Aweigh
JMT原盤                      1987年5月録音

 無名に近いミュージュシャンまでも自分のwebページを持つのが、一般的になってきております。カサンドラ・ウィルソンほどの歌手ならば当然に立派なページがあると思ってましたが、オフィシャル・サイトは無い模様。逆に、ここまで売れている方ならば、その必要性がないのでしょうかね。

 彼女にとって2枚目のこの作品を久し振りに取り出してみて気付いたことは、JMTからの発売だったのですね。そう言えば、スティーブ・コールマンのバンドにも加わっておりましたよね、確か。この作品にもコールマンが参加しております。

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 17年も経つと印象が変わるのを、ここで実感しました。芸術家を気取っている感じの歌い方との印象が、カサンドラさんの歌にありましたが、今回聴いて素直な歌い方だと思いました。ハスキー系で声量豊かで、ストレートに歌っている感じですね。 バックの演奏、言ってみればJMT派(M-Base)の演奏に関しても、小難しい演奏との印象から素直な演奏という印象に変わったのです。

 まぁ、17年という時間なのか、少し二日酔い気味で聴いた今の状況によるものなのかは、考えるのは止めましょう。

 ここで気に入った3曲についてコメントします。アービング・バーリンの名曲「Let's face the music and dance」の印象的なメロディを、カサンドラは飛び跳ねるように歌ってます。バックは、グレアム・ヘインズのペットが随所に効いている内容。スタンダードをJMT派の色で違和感無く処理しております。

 カサンドラ作のバラッド「subatomic blues」では、女の情念を感じさせながらも、サラッとした歌い方が印象的。演奏では、ケネス・デイビスのベースとマーク・ジョンソンのドラムで色づけられた、うねりのあるユッタリ感が何とも言えず魅力的。

 バーンスタインの美しいバラッド「some other time」での正攻法での歌い方に、カサンドラの高い実力が表れてます。またロッド・ウィリアムスのピアノだけの演奏も、見事なもの。

 発売から17年経った今としては、カサンドラの諸作の中において、この「Days Aweigh」という作品は重要な位置づけではないのでしょう。しかし、素直なカサンドラの姿がある好盤と言える内容です。