2005年5月14日掲載
Eddie Costa     Guys and Dolls like Vibes
Coral原盤          1958年1月録音

 この作品は、ビル・エヴァンスの熱心なファンの間だけで、日本で語られてきた作品ではないだろうか。昨年紙ジャケCDで、日本で何度目かの発売となった作品である。

 主役は、打楽器でもあるピアノの特徴を活かした演奏で、独特のエモーショナルな世界を築く、エディ・コスタである。またコスタはヴァイブ奏者としても高い実力があり、今日取上げる作品ではヴァイブを演奏している。

 そしてピアノは、録音当時には名前が知られていなかったビル・エヴァンスだ。ウェンデル・マーシャル(b)とポール・モチアン(d)も参加しての、クァルテット編成である。

 気になった一文が帯に書かれていた。「(コスタと)同様の音楽性を持つビル・エヴァンスとの組み合わせ」となっている。「おいおい」と呟いたのは、僕だけではあるまい。

20050514

 タイトルの「ガイズ・アンド・ドールズ」とは、1950年に初演されたミュージカルである。これは、1,200回にも及ぶロングランを記録した。本盤はそのミュージカルからの6曲が収録されている。本盤の趣旨は、ミュージカルでの雰囲気通りに、6曲を演奏することであったのであろう。コスタもエヴァンスも、自分の個性を抑えた演奏をしている。

 僕の大好きな「イン・アイ・ワー・ベル」が、素直に演奏されている作品だ。