クレモンティーヌの1作目「Continent Bleu」をここで取上げた際に、かなりけなしたコメントを書きました。しかし、15年前の僕は、その後も彼女の作品を2枚買ったのでした。やはり、買ってから15年により、僕の好みが変わってしまったことが、けなしたコメントの理由なのかと考えてます。買った当時は気にっていたはずだ。その気に入っていた部分を求めて、彼女の2作目を聴いてみます。
ケニー・ドリューが参加している作品です。
前作に比べて色気が加わったではないかとも感じながら、都会的おしゃれボーカルの域は出ていないとの思い。ついつい読みかけの貫井徳郎の小説に気が行ってしまった。だって、蒸発した女房を探している主人公の前にヤクザが現れたのだ。その後の展開を知りたい思いが、完全にクレモンティーヌを追い越していたのだ。
しかし、その思いを止める瞬間があった。全14曲の11曲目、「ネイマ」だ。深い情景が本来展開されるべきこのバラッドを、クレモンティーヌはさらっと歌っている。しかし、何故かジャズらしさを感じさせる。「ネイマ」だからそう思うのだろうけど、考えてみたらジャズのエッセンスが極僅かに感じられる。
この部分が、15年前に気に入った部分なのだろうか。しかし15年経った今では、「ネイマ」以降は再び貫井徳郎の小説に気が行ってしまった。