2005年4月13日掲載
Conrad Herwig - Brian Lynch   Que Viva Coltrane
Criss Cross原盤                         2003年12月録音

 コンラッド・ハーウィッグはトロンボーン奏者であり、また編曲家としても有名な方です。トロンボーン奏者としては、穐吉さんのビッグ・バンドでの活躍が有名なところ。まや編曲家としては、自分のリーダー作品で、グラミー賞アレンジ部門にノミネートされたことがあります。

 ブライアン・リンチはトランペット奏者であり、1990年代から多彩な活動を行っている方であります。

 この二人が双頭リーダーである本作品には、他にテナー・サックスやコンガ等が加わっており、セプテット編成であります。そしてこの作品のタイトルは、「コルトレーン最高」なのであります。コルトレーン作の8曲がズラリと並んでいる作品です。

20050413

 コルトレーンの渋い曲を取り上げています。

 「lonnie's lament」は1963年11月のドイツでのライブが初演であり、これはパブロから発売されているもの。その後1964年にスタジオ録音を行い、『クレッセント』として発売されました。

 「miles mode」は1961年のライブ演奏が初演であり、その後「red planet」と名前を変えて、1961年のヴァンガードで演奏しておりレコード化されました。

 「wise one」は『クレッセント』でのスタジオ録音が、数少ない演奏なのです。

 最初の3曲だけにコメントしましたが、他の5曲も同様に、その演奏回数は少ないもの。しかしながら、コルトレーン・ファンにとっては、印象深い曲ばかりなのです。コルトレーンとなると熱が入ってしまいましたが、演奏内容について触れましょう。

 「ケ・ヴィヴァ」となっている通り、ラテン・フィーバーを加えた演奏スタイルです。コルトレーンの曲を用いながら、コルトレーンの重さとは対極を行くような軽快さで演奏されています。3管、特にリーダー二人の演奏が一つの焦点でしょう。またアレンジは、5曲がリンチ、残り3曲がハーウィッグが担当しております。 ハーウィッグがアレンジした「central park west」と「grand central」のセントラル2曲での爽やかさが、今回は印象に残りました。