2005年3月15日掲載
Marie Moor       Aigre-Douce
Global原盤         1992年5月録音

 趣旨が「ジャケ買い女性ヴォーカル」で新宿ユニオンの中古コーナーを覗いていたのですから、このマリア盤を引っこ抜いたのは当然のこと。さらにクレジットには、バルネ・ウィランの名前まであるしね。てっきり輸入盤だと思っていたら、僕が手にしたのはアルファを通して1993年に国内発売されたものでした。

 封入されている解説によれば、バルネの作品のジャケ画を彼女は書いたことがあるそうなのだ。更にはアルファ製作の『モダン・ノスタルジー』において、マリアは歌手として2曲参加したとのこと。一説には、当時のバルネの恋人だったとのことです。そして終にはマリアのヴォーカル作品が出来上がったという次第なのです。

20050315

 小悪魔的に可愛らしくフランスの雰囲気を感じさせる歌手です。バルネはサックス奏者としてよりも、プロデューサーとしての役目に徹しています。随所に心憎いアレンジを施し、マリアの音程の幅に大きく限界のある欠点をカバーし、彼女の持つ雰囲気を最大限に活かしております。

 最後から2曲目の『boys in blue』はリフ・ロックとフランスの融合的なもので、楽しめました。続く最後の『mon blouson c'est ma maison』は、中国的雰囲気のお遊び曲という感じ。

 これ1枚のマリアでしょうが、この1枚は面白い作品です。