膨大な作品を発表しているシムズですから、僕の知らない作品があっても当然のこと。この作品を見かけた時は、超マイナー・レーベルから発表された作品のCD化だと思っていました。しかし現実は、海賊版に近かった存在の作品を、ジャズバンクという日本のレーベルが正式発売したものです。海賊盤に近かった存在だったのは、2000年にメキシコのNaked-Cityから300枚ほど発売された時のことです。ではジャズバンクとは何かと言えば、キングにいた中尾さんが携わっているレーベルであります。
「バンカラ酔いどれテナーの真髄」と帯に書かれているこのライブ盤は、盟友アルとの共演盤であります。
この時期のズートは、この作品の録音場所となったハーフ・ノートをホーム・グランドにして、活動していたとのこと。リラックスした熱演が聴けるのも、演奏場所によるものでしょうかね。さて音の方ですが、この手の盤の宿命として、非常に悪いもの。ズートの熱烈なファン以外には、必要ない作品でしょう。