2005年2月26日掲載
Rosario Giuliani     More Than Ever
Dreyfus原盤         2004年4月録音

 イタリア出身のアルト奏者ロザリオ・ジュリアーニの最新作です。ロザリオは1998年からリーダー作を発表しており、この作品で7枚目にあたります。Remi Vignolo(b),Benjamin Henocq(d)に加えて曲により、Richard Galliano(accordion)とJean-Michel Pilc(p)がゲスト参加しております。またロザリオは曲によっては、ソプラノ・サックスを吹いております。アルト奏者がソプラノを吹くというのは、珍しいですね。

 さて話し変わりますが、ステレオ・サウンドという雑誌を僕は愛読しておりますが、その2004年冬号のディスク紹介に、この盤が取り上げられていました。山口孝氏の一文に、「ルーズなオーディオではアルトとソプラノの響き分けが難しいかも』とありました。何だか、僕のオーディオへの挑戦状のような気がします。

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 ジャン-ミシェル・ピルクとの演奏では、都会的なハード・バップとファンクっぽいハード・バップを、勢いのあるストレートなサックスをロザリオは吹いております。バックを含めて、実にとっぽい演奏で決めております。

 一方、世界有数のアコーディオン名手のガリアーノとの演奏では、タンゴの哀愁たっぷりの演奏です。

 このどちらも良いのですが、ロザリオが器用な奏者と言うよりは、懐が深い奏者と言えるのでしょうかね。さて2曲だけ、ゲスト抜きでトリオで演奏します。これが、決まってる。輝きある彼の音色に、凄みが加わった演奏になってます。

 そんな分けで3色楽しめる作品で、僕はロザリオが気に入った。もう1枚彼の作品を買ってみよう。

 さて、アルトとソプラノの響き分け。微妙に響いていたのは、2曲目と4曲目。共に最初はソプラノだと感じたが、聴き進むにしたがって微妙な気持ちになってきた。山口氏のSPはパラゴン。流石に僕のBN804では、響き分けが難しいのかな。それとも、単に耳の問題かな。