「ディスク・ジョッキー・コンヴェンション」なるものがあり、その第2回がマイアミで開催され、世界各国から2500人ものディスク・ジョッキーが集まったそうです。その催し物の目玉であるショーがジ・アメリカン・ホテルで行われました。そしてキャピトルが気合を入れて出演させたのが、このペギー・リーとジョージ・シアリングという組み合わせだったのです。
当時のシアリングのクィンテットには、トゥーツ・シールマンス(g)やロイ・ヘインズが参加しておりました。大成功したショウは当然レコード化されたのでした。
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練りに練られた内容で、かなり重要なショウだったということが分かります。やはり大スターとなっていたペギーさんの貫禄と存在感が、随所に発揮されています。軽快でもの哀しげなバラッド『you came a long way from ST.louis』、アフロ・キューバン・アレンジが見事に決まった『always true to you in my fashion』、美しい調べの『there'll be another spring』等というように、飽きさせない展開もお見事。バックのクィンテットは親方のシアリングにしか光が当たっていませんが、堅実な演奏です。
ショウ・ビジネスとしてのジャズの素晴らしさが、ここにあります。