しかし何だね、このジャケとは。男がブリーフ姿で寝そべっている姿なんぞ、見たくはない。1997年にCD発売された時に買ったのですが、恐らくはSJ誌のレビューでの小さなジャケット写真を見て、ブリーフ男を女性だと思ってしまたのでしょう。
さて主役はブリーフ男ではなく、ヘレン・カーさんであります。ベツレヘムにこの作品と、10吋を1枚残し、消えて行った歌手であります。レッド・ミッチェル(b),ハワード・ロバーツ(g),そしてキャッピー・ルイス(tp)をバックにしての吹き込みです。ヴォーカル作品として、実に珍しい編成のバック陣であります。
無理をしているような可愛らしさが特徴的な歌い方のヘレンさん。ギターとベースがリズムを取り、少し品のないミュート・トランペットが味付けしているバックであります。このバックの編成は、ヘレンさんの意見とか。成功した考えと言えるでしょう。『my kind of trouble is you』などという殆ど知られていない曲を引っ張り出すセンスも、なかなかのもの。しっかりとした歌唱力のヘレンさんだけに、もっと作品を残して欲しかったです。