1983年にホノルルを発った客船ロッテルダム号には、豪華客船による世界の船旅らしく、様々な催しが用意されていました。その中の一つが、歌手によるショー。ロッテルダム号が日本に寄港した際には、出演者のローズマリー・クルーニーやジョー・スタッフォードが日本に降り立ちました。実は日本による前の香港までは、今日取上げるケイ・スターさんもロッテルダム号でのショーに出演していたそうです。
1922年生まれのケイさんは、1940年代から大スターとして活躍していた歌手。そんな彼女の最もジャジーな作品が、この作品だそうです。それにしてもジャケに写るロッキング・チェアーのペンキが、一部で剥がれているのが気に掛かります。
明るい声なのですが、妖しさが全く無いのです。やはり声質がジャズ歌手の重要な資質なので、そこがジャズ方向に進まなかった彼女の原因なのでしょうか。アップ・テンポの曲に、ブルースにと、ポップスを楽しく聴かせる歌手といえます。ホーギー・カーマイケル作の『lazy bones』の気だるさが良かったです。