ポップス歌手パティ・ペイジがエマーシーに吹き込んだジャズ・フィーリング作品は、「in the land of hi-fi」を去年ここで取上げました。今日取上げるのは同様にジャズ・フィーリングもので、「東側」と「西側」と別々に発表された作品を、1987年にカップリングCDとして発売されたものです。日本ではワルツの女王としてのイメージが強かったからなのか、この時がこの両作品の日本初登場だったそうです。
てっきり東海岸と西海岸のことだと思っていたのですが、これはNYの中での東西とのこと。何でもマンハッタン5番街を中心にして、東西分けしているそうです。
さて内容ですが、ジャズ・スタンダードをポップス界の大物歌手が、精魂込めて歌っているもの。輝く高音と優しい低音が響くパティさんの歌が、思いっきり楽しめる内容です。やはりアメリカのショウビジネスの頂点にいた彼女の貫禄が光っていますが、ジャズの妖しさは望むべくも無いもの。
その中で面白かった曲は、コール・ポーター作の『down in the depths』であります。大都会マンハッタンで夢見ている少女の心境を、巧みに表現しております。