2004年8月9日掲載
Nina Simone       Pastel Blues
RCA原盤            1965年5月録音

 「フィーリングとしてのブルース」をコンセプトに製作されたフィリップス第4弾、と帯に書かれてました。ヴィレッジ界隈では、特にフォーク派からニーナは高い支持を得ていました。ブルースに対しての、フォーク派とジャズ派とでの見方の違いについて、ニーナは自伝で次のように述べてます。「フォーク好きの若者たちはブルースを新しいと感じていたが、ジャズ・シーンにいた人たちにとってはブルースはすでに過去であり、時代の動きとは関わりなかったのだ」。

 収録曲は、ビリー・ホリデイの代表曲「奇妙な果実」やビリー作曲の「テル・ミー・モア・アンド・モア・アンド・ゼン・サム」が取り上げられたおります。

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 印象的なのは、ニーナの歌声の高音の伸び。ブルース・フィーリング溢れる中で、これでもかと高音が連発されています。陽気な感じの曲が続く中で、圧巻は最後の2曲。「奇妙な果実」はニーナの弾き語りなのですが、感情表現が彼女の歌に込められており、ここでも高音の歌声が効果的。

 続くトラディショナル・ソング「シナーマン」は、10分間に渡ってハイ・テンポの中で、ニーナが熱唱しています。ツイン・ギターを効果的に使った編曲に合わせってのニーナの歌は、歌詞が分からなくても物語を十分に感じさせる出来。これに影響を受けたフォーク・ミュージュシャンも多いことでしょう。何人かの日本人も、頭の中に浮かびました。

 これから何度も聴いていくCDになるでしょう。