プラハの音楽一家に生まれたベース奏者のミロスラフ・ヴィトウスは、早くから演奏を始めており、二十歳前に臨んだグルダ主催のコンテストのベース部門で優勝したのです。その後、チック・コリアの「now he sings, now he sobs」やショーターの「super nova」といった作品に参加していき、1969年には初リーダー作を吹き込みました。1970年暮れに結成されたウェザー・レポートに参加したのですが、1973年には脱退。その後1979年にECMへ吹き込んでからは、ECM専属となり多くの作品を発表しております。
今日取り上げる作品は、ベース1本での録音。僕が何故これを買ったかは、その内容と共に、全く覚えておりません。
この盤は1986年の購入なのですが、この時期はCDが市民権を得て、レコードに迫る発売枚数だったと記憶しております。またこの時期には、一部の方々の間で、CDの寿命15年説が叫ばれておりました。これはCDが廃れるのではなく、CDの盤自体が15年でダメになるという説でした。確か、穴が開くなどと言う内容だったかと記憶しております。
さてヴィトウスの作品の話ですが、18年振りに取り出したこの盤を観たら、穴が開いているのですよ。内側の記憶箇所から微かにズレた位置に、0.5ミリほどの円形透明箇所があるのです。貫通した穴ではありません。また、元からのものなのか、18年という歳月の中で出来た穴なのかも、不明です。
しかし、僕自身は疑っていたCD15年寿命説なのですが、この説は事実なのかと思い始めました。他の盤での事例が僕には無いのですが、他の盤が気になってきました。
さて、内容。60分ほどの演奏には穴は影響しておらず、ベースという楽器の魅力を存分に感じ取れる内容であります。僕は穴の影響を聴き漏らすまいと神経を集中させておりましたが、通常の状態であれば60分全てに傾聴出来たかは疑問でありますがね。
因みにこれは輸入盤であります。