ボレロとは1780年頃スペインの舞踊家セレソが創作したという、3拍子のカスタネット伴奏を伴う舞踊音楽、なのだ。テテのリズミカルさからすれば、格好の素材と言えよう。
Manuel Elias(b),Peter Wyboris(d),Rogelio Juares(per)との、ボレロ集である。
まぁ、ボレロ集というかラテン曲集と言った方が、僕には分かりやすい。
全10曲とも、どこかで聴いたことがあるような、影を背負った陽気な曲だ。これは、正にテテの個性と一致するものである。有名な曲は、「poinciana」かな。ロリンズがソプラノ・サックスで好演した曲だ。また「siboney」も、ガレスピーの演奏で有名な曲である。そして、この2曲の名演として、ここでのテテの演奏が入るのは言うまでもないことだ。本当にこの1970年代中盤のテテは、絶好調なのだ。