ビル・ラズウェル(6 string Bass),ソニー・シャーロック(g),ピーター・ブロッツマン(ts),シャノン・ジャクソン(d)というメンバーのラスト・イグジットというグループの、東京でのライブ盤です。
しかし、凄い顔ぶれ。ここまで揃えたかと唸ってしまう。悪役レスラー揃い踏みとうような、意味不明なことを思い浮かべてしまった。
これを買った当時は、ジャズを聴き始めて4年目のことで、このようなフリー・ジャズ最終形態にも興味があったのです。この作品が何故実家で長年眠っていたかと言えば、このような世界を受け入れられなくなっていたからでしょう。
曲により、ハンコックと坂田明がゲスト参加しております。
誰が言ったかは忘れたが、ジャズを聴き始めて3年目程の時期には、自分が世の中で最もジャズを分かっていると感じるそうだ。僕の場合はどうかと言えば、今となっては恥ずかしくて言えないことを考えていた記憶がある。
それは別にして、真剣にジャズを聴いていた。このラスト・イグジットを聴いた時も、真剣に聴いていたのだ。一音一音に耳を傾けていたのであろう。そして結果的に、この盤を実家の隅に追いやってしまったようだ。
それから20年近く経った今では、全般的に聴き方が変わって来ている。真剣に聴いていないということはないのだが、余裕を持って聴いている気がする。
さて、余裕を持って聴いたラスト・イグジットであるが、この手のジャズへの接し方が分かった気がする。一音一音に耳を傾けるのではなく、全体の流れにボーッと乗り、時折飛び込んでくる刺激的なフレーズを拾い上げて聴くのがヨロシイ聴き方のようだ。そんな風に聴いてみると、実にスリリングだ。実に楽しいのだ。
聴き手の変化により作品への印象が変わってくることを、改めて実感して1枚でした。