2004年5月12日掲載
Eden Atwood         This Is Always
Groove Note原盤    2003年録音

 このコーナーで取り上げるのは3枚目になるエデン・アトウッドさん、その経歴を簡単に記しましょう。

 1970年メンフィス生まれの彼女は、キャピトル・レコード専属の作曲家であった父と、有名な小説家の娘さんだった母を持つ彼女は、幼い時に両親は分かれてしまったとか。俳優になるために進んだ大学生時代には、父親の短銃自殺という不幸が起きたのだ。

 どのような心理の変化があったかは別にして、それを機に歌手への道を目指したようだ。早くも1992年にはデビュー作をコンコードに発表。1996年までに4枚の作品を発表し、その中の1994年録音の作品をかつてここで取り上げました。その後再び役者の道を目指して音楽活動を停止したらしい。

 2000年頃にはシンガポールで地味に音楽活動し始めて、その時の作品がインドネシアでひっそりと発売されていたようだ。

 2002年に本格的に音楽活動を始めたのか、この Groove Note レーベルから復帰作品を発表し、それもこのコーナーで取り上げました。

 そして今日取り上げる作品は復帰2作目のもので、トランペット入りクァルテットをバックに従えております。

20040512

 トランペットはトム・ハレルで、僕は久しぶりに彼の演奏に接するのだが、落ち着いた演奏でありイメージと違うもの。これは、歌伴だからなのか、最近の彼のスタイルかは不明です。

 その彼の演奏が、出だしの「without a song」から、しっとりとした歌い方のエデンにぴったりと寄り添っております。

 全ての曲がバラッド演奏であり、30半ばに接し、また様々な経験から深みを増したエデンさんの歌が存分に楽しめる作品になっております。

 そんな内容ながら、僕が絶賛出来ない理由としては、ドキドキ感が無いこと。もう少し選曲やアレンジ、或いは曲配置が優れていればなと思いながら、しかし好盤を得た喜びもあり、なかなか言葉が浮かばないでおります。