続けて、低音シリーズのリチャード・デイヴィスの作品です。ジョン・ヒックスとのデュオという内容も、引き続きのものです。
年間数回の日本帰国の際には、後悔しないように、行動してしまう。日本で太ってしまうのも、致し方無いものなのだ。そして、ジャズCD購入も、迷ったら買ってしまう。この作品に関しては、前作と同時に買ったものであるが、前作を先に聴いていれば、購入しなかったであろう。そんな気分である。
「揺れろよ、幌馬車」はデイヴィスのお父さんが大好きな賛美歌で、デイヴィスも子供の頃から口ずさんでいたとか。出だしの揺れる幌馬車を表現したデイヴィスのアルコは、前作の正統派アルコとは違って、情念の演奏。何か良い方向に向かう予感を感じたのですが、聴き進むに従って予感通りを実感。アルコでも「ララバイ・ベティー」における見事な優しさ表現が聞けます。
そしてこの作品はピッチカートが多いのは、僕にとって実に喜ばしいこと。低音の魅力に浸りながら、スピリチュアルな「ウェイド・イン・ザ・ウォーター」に感動。そして、この盤のお勧めは、同じオスカー・ぺティフォード作の「プレイン・アンド・シンプル・トルース」かな。
演奏を楽しんでいるかのようなこの盤でのデイヴィスに接していると、前作は気合が逆周りしていたかの気持ちになります。