2004年3月23日掲載
Sonny Stitt-Bud Powell-J.J.Johnson
Prestige原盤    1949年10月録音

 SP盤の寄せ集めにしても、もう少しタイトルを考えろと言いたくなりますね。スティットの名前が最初にクレジットされているのは、収録されている3つのセッションに彼が全て参加しているからです。スティットとパウエルのクァルテットで2セッション、スティットとジョンソンのクィンテットで1セッションであります。

 因みにパウエルのプレスティッジへの吹き込みは、本作品収録だけであります。

20040323

 パーカーそっくりと言われるのに嫌気がさしていたスティットは、この時期にはテナー・サックスを吹いていたが、その圧倒的な勢いには感服。そして、生涯でも最も充実していた天才時期のパウエルの勢いにも圧倒される内容。「神の子はみな踊る」が、その圧巻。

 油井正一さんの解説に、この2つのレコーディングでのパウエルのエピソードが紹介されております。何でもスティットは、「偉大なパウエルさん」と、常に持ち上げていたとか。それで気を良くし快演に繋がった理由なのですが、この話には落ちがあり、それはパウエルが2度とプレスティッジに吹き込めなかった理由になるもの。

 スティットに乗せられたパウエルが、副調室にいたプレスティッジ社長のワインストックに、「おい太っちょ、表にいってサンドイッチを買ってきな」と言ったとのこと。これではワインストックが怒るのも仕方ない話であるが、それだけパウエルがハイになっていた証拠なのでしょう。