クラシック活動が主でジャズも演奏するグルダについては、1956年録音のライブ盤を以前取り上げました。そこでも書いたのですが、渋谷ジャロさんの店主はグルダ好き。
今回のMPS復刻盤シリーズは11月末のジャロさんに6種類在庫してあり、結局は全部買ったのですが、このグルダ盤は躊躇したのです。理由はダブル・ピアノであること。6種類全てにパウアーが参加しており、当然この盤でもグルダと共演しております。
ダブル・ピアノ自体に殆ど興味が無く、ましてや両者ともエレピも弾いているとのクレジットがあり、なおさら興ざめしたんですよ。
しかしながら購入に至った理由は、一期一会の精神。ここで買わなかったら、購入機会が二度とないのではとの予感であり、グルダの駄盤をジャロさんが仕入れる訳ないとの期待でした。
香港に持ち帰り、内ジャケの記載を読んで少し安心しました。各曲とも、片方がピアノで片方がエレピという、演奏スタイルだからです。ドラムが参加しての、変則ピアノ・トリオであり,ミュンヘンでのライブ録音です。
縦に広がるパウアーのピアノに対して、横に華やかに広がるグルダのピアノ。エレピでも同様の感触であり、そこそこ楽しめる内容であるが、エレピのサウンドは過去の遺物としか聴こえず、その点がこの作品に感動できないものとの印象を与えてしまっている。